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コストのこと
ある物件で、人造大理石の900角で予定していた床の仕上げを、御影石の600角の仕上げに変更しました。目地調整を考えると割付が小さい方が施工は楽ですね。
―コスト面ではどちらの方が高いんですか?(本橋)
見積りを取ってみると殆ど同じです。中国産の白御影石で20,000円/㎡といったところです。人造大理石は材工で10,000ちょっとだと思ったのですが、変わらなかったですね。結局、ゼネコンが見積りを取るのと私たちが取るのとでは、1,2割くらいは違うのではないでしょうか。業者さんはゼネコンから睨まれると恐いからね。(笑)
基準法改正の影響
今は設計変更が大変になってきています。現場に行く意味が変わりましたよね。現場に行けばいくらでも変更したくなる点を見つけてしまいますが、そうもいかなくなっている。
―例えば、住宅レベルだと軽微な変更で済むことが多いかとは思いますが。最近、構造に関するパブリックコメントが出ましたね。主体構造に絡む一次部材の変更は大変ですが、二次部材の位置を変更する程度なら軽微な変更扱いになるようです。(本橋)
そもそも基本的に構造だけが問題になっていたんだよね。それが意匠の方まで影響が及ぶ形で法改正がされてしまいました。ちょっとでも変えると構造に絡むことが多いのは確かなんだけれど。
容積、建築費
昔、伊東豊雄さんのどこかの建物を観に行ったことあります。アルミニウムが印象的で記憶に残っています。パンチングのアルミですね。
―例えば麻布十番の交差点にあるPMTビルは伊東さんの設計で、パンチングメタルを大々的に使っていますね。恐らく80年代くらいですね。(本橋)
確か外壁に使っているんだよね、アトリウムを囲うようにして。設計サイドでは商業ビルで表現できる場所はどうしても限られているよね。運営する方がけっこう強く口をだすだろうから。
―あの大きな吹抜けは経済的な効率はいいとは思えないんですけれどね。バブルの成せる技でしょうか(笑)(本橋)
あれは建築面積に入っていないからね。容積に入っていないところだったら遊ばせてくれるよね。
―施工床としてはすごいあると思うんですけれど。当時は建築費が上がっても、床面積が確保できていれば良かったのでしょうか。(本橋)
建築費よりも土地の値段の方が高いから。良い場所だと倍以上するだろうからね。
中村好文、吉村順三
中村好文さんは吉村順三さんの事務所出身ですね。
最初、彼は事務所に入りたくて、そうしたらウェイティングリストに書けって言われて。前にいっぱい名前があったようで。そこに名前を書いて、空くまでと思い家具の木工所に入ったようです。その間、近況報告のハガキをずっと出していたらしいです。突然、事務所から手紙がきて、明日から来い、って。事務所で家具をつくろうとしたようですね。
彼は椅子からテーブルから全部自分でつくるんですよね。下手したら食器まで自分でつくる(笑)