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建築基準法
昭和46年に建築基準法は変わりました。次に変わったのは昭和56年。その度に構造の規定が厳しくなっています。それでは昭和46年以前のものが、地震があって壊れるかと言われれば、全くそんなことないんですよね。それでは新耐震のものが壊れないで、旧耐震のものが壊れるかと言われれば、同じ地域であれば同じように壊れてる。
特にビジネスホテルなんかは最も構造的には強いよね。箱が均等に並ぶわけだから。どちらかが重いとかいう歪みもないし。均等に地震の揺れを受けるわけですよね。それでも算式でアプローチするわけです。
写真のはなし
建物の写真を撮るのって、楽しいよね。
―そうですね。でも僕は建物を観る時に写真を撮らないようにしているんです。カメラを持っているときの見方になってしまうので。そのものを観察しようと思うと持たない方が良いと思っています。(本橋)
私も今までは誰の作品を観に行くときも持ってなかったのだけれど、最近は持っていくようになった。仕事の為だけれどね。安藤さんや村上徹さんの建物を観に行ったときも、撮ったことはないし。観るだけ。まあ、仕事の為とはいえ、観る角度によって出来の悪い建物でもよく撮れる場合もあるから楽しいね。
建築をとおして
本橋君は建築家として何を設計したい?
―特に何をっていうビルディングタイプとしてはありません。規模が大きくなればなるほど技術的にも制度的にも複雑になるので、自分がやりたいことを実現するには住宅が一番シンプルで良いかもしれません。(本橋)
建築家の場合は自分が引いた線の一本一本で、自分の考えを確認していくんだろうね。作業の過程そのものだから、俗にいう自己認識の方法論だ。で、どういう風に自己認識しているの?
―それが言えたら、建築する必要がないじゃないですか(笑)それが書けるのなら文筆業をやっていますよ。やっぱり建築を通して自分のリアリティを探している、というか。(本橋)
なるほど、リアルな自分ね。自信が無いな、私は。いい加減な自分なら自信があるけれど。(笑)
―いい加減とリアルは両立するんじゃないですか?(本橋)
相反してない。(笑)
歴史との接続
歴史のない新しい飲食店、新しいホテルは楽しくないですね。建物に歴史が染み付いていないから。新しいホテルにいる従業員にもアンバランスを感じてしまうしね。やはり良いホテルというのはその歴史が必要だし、歴史を作った従業員とお客さんが居て、初めてホテルが完成するんだと思う。新しいホテルを観に行くと、全てがアンバランスですね。100年、あるいは50年くらい経ったら味がでれば良いけれど。
―大変なことを言いますね。(笑)新しいものをつくる立場ですから、僕は。(本橋)
でも少なくともそういう謙虚さは必要だよね。街中で新しい建物が浮いちゃってるのがあるけれど、50年経ったら馴染むのかな、馴染むんだろうかこれで、って思ってみています。やっぱり建築の歴史、地域の文化、そういった流れの中できちんとコラボレーション出来ているかということですよね。出来ていなかったら、それはアウトだよね。無論、そういうのを一切拒否して、俺は俺で良いんだ、というのもあっていいのかもしれないけれど。