望遠鏡のはなし

望遠鏡のはなし

中学校、高校の頃は望遠鏡を作るのが好きでした。中学生の頃は簡単なガリレオ式とかケプラー式であるとか、簡単な構造のものを。高校生になってからは、図書館に通って複合レンズの焦点距離であるとかを勉強して、いろいろ作りました。

結局、理論値の通りの像を結ばないんですよ。なぜかというと、収差があるから。プリズムで言うと七色の光がでますよね。普通の光でも色を含んでいますよね。それがガラスを通過するときに分光しちゃうんですね。球面収差とかコマ収差とか色々あって、それは高価なレンズを使えばかなりの程度まで解消できるのですが。最初は分からなかったから、とりあえず色収差を抑えようということで、通信販売でレンズを買いました。そのレンズが高いんですよ、大きくなればなる程。仕方がないから、小さいのを買いましたね。小さいレンズの方が色以外の収差が出にくいのですが像を結びませんでした。というのは、計算上は倍率が100倍以上でているのですが、そうするとそれだけ拡大してきれいな像を結ぶだけの情報量が、私の買ったレンズの口径ではでないんですよ。要するに情報は口径の範囲でしか入って来ないんですね。残念でしたね。(笑)

仕方がないから、高倍率のものは諦めて、虫眼鏡用の一番大きいレンズ、老人が使うようなものです。それを対物レンズにして、実像を2度反転させてみるようなものを作ったのですが、それはよく見えましたね。ただ、倍率は30倍程度でした。

天体はあまりみませんでした、遠くの山とかですね。月はたまに見ましたけれど、100倍以上だと月も面白いですよ。

反射鏡ならば色収差はでないんですよ。普通、天体望遠鏡と言えば反射鏡です。私が高校の頃に作ったものはレンズを通して見るようなものです。光がレンズを通過すると、そこで収差が出るんですよ。反射レンズは通過しないで、反射するだけだから。

倍率が高いと、月を見ているその時に月が動いて行きますからね。クレーターまで見えるし、やっぱり遠くの見えないものが見えるという経験は楽しいですよ。