5-5. 耐火被覆 (4)
また天然素材であるアスベストと違って、ロックウールは玄武岩や鉄炉スラグと石灰などと一緒に溶解させて生成させる工業製品で、吹付けのものもあれば成型されたものもあります。繊維状のもので扱い易いので防火区画を配管などが貫通する個所や外壁とスラブに隙間ができてしまう個所などに、このロックウールを詰めることで区画の性能を担保するといったような使用の仕方もしています。
また同様の吹付けの耐火被覆材でセラミック系の素材もあります。セメント、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムを主成分としていて、柱で20mm(1時間)〜40m(3時間)の厚さでロックウールよりも薄い形で認定が取れています。
以上は吹付けによる湿式の工法ですが、数十ミリの被覆の厚さが必要なので、柱が一回り太く見えたり、納まり上その厚さがネックになることがあったりもします。その場合は耐火塗料という塗装するだけで皮膜が数ミリ程度で良い耐火材があります。その塗り厚は母材となる鉄骨の断面や耐火時間によって変わってくるのですが、柱や梁で極力スリムにみせたい個所については耐火塗料を使うことは多くなります。コスト的には吹付けの被覆材の数倍になってしまうので、使用する場所を限定して使うのが一般的でしょう。耐火のメカニズムとしては、熱が加わった際に塗膜部分が発泡して断熱の層を形成するという仕組みです。ロックウールもそうですが、いわゆる断熱材のように中に細かい気泡を抱え込むことによって、熱が容易には伝わらない仕組みとするわけです。
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