9-4. NEWS X (6)

このような構造設計のスタディを経て、1階を4本柱とし、2階梁を高さ800の大梁として、その上部は柱径216φ、梁成400とする構造の大きな骨格が出来上がりました。とは言え、この骨格に天井カセット式の空調室内機を吊ったり、普通に床スラブを打ってしまうと依然として階高3mに対して天井高が低くなってしまいます。ここで一般的に梁の高さの懐内に納まっているものを納めて、納まっているものを外に出してしまうという逆転の発想を考えています。
即ち、一般的に梁の上に乗せるデッキスラブを梁の懐内に納めてしまいました。そうすると実は梁の天端まで耐火を施さなくてはならないのですが、オフィスの場合いずれにせよOAフロアで上げ床をしているので大きな問題にならないだろうと判断しました。また空調室内機はその床スラブ内に納めることを止めてエレベーターホールの天井裏に吊って、ダクトを接続して室内に横から吹き出すことにしています。そしてエアコンの給気に対して、窓廻りの足下にスリットを設けて、これまたOAフロアの下のスペースを利用したリターンとすることで空調も成立させました。さらに梁同士のジョイントについては、下フランジを溶接としてボルトヘッドが天井仕上げを邪魔しないようにしながら、天井をギリギリのところで納めて、最終的に階高3mに対して、天井高さ2.45m、つまりスラブ内を550mmまで抑えることで、室内の規模に対しては十分な天井高さを確保することが出来ています。

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