バランスのいい設計

貸しビルでどのようにつくるとテナントが付くか、家賃が取れるかというのは、ビルをつくる会社によって大きく違います、バランスの良し悪しとか。ビルの設計でバランスが良いと思うのは、やっぱり三井さんですね。どうやったら家賃を高くして貸せるかは銘々人によって違いますから、バランスは大切です。マンションを見てもそうですよね。

昔は自分のブランドに誇りをもっていて悪いマンションをつくらないというポリシーをちゃんとした会社ならありましたが、今はそうじゃない、儲かれば良いという雰囲気になっています。平気で梁をだして、梁を欠き込んだところで天井高がいくらかと書くし、空調機は壁付けで、配管が壁伝いに現しです。無論それによって、工費が安くなっているのですが。天井高をとってそういうものを見えないような納まりにすれば、もちろんコストは上がるし容積も戸数も取れなくなるのですが、昔はそれでやっていたんですよね、いい頃は。

その点、事務所ビルはまだいいでしょうね。このビル(聖路加タワー)も計画だけで3-5年はかかっているだろうし。そうなると大手の設計事務所でそもそも頭のいい連中が時間をかけてやるわけなので、ソツのない建物はできますよね。大型ビルだと我々のような小さなところは弱いよね、特に防災計画の帳尻を合わせるのが。設計の中心が防災になるんでしょうか。