4-12. 執務空間 (2)
以前に「オフィスのルーツ・日本編」の稿で「武士の家計簿」について言及しましたが、江戸時代の藩の御算用者、つまり今で言えば行政の経理を担う部門にあたるでしょうか、その執務空間は畳敷きの広間に書き物をする台が並んだだけのところでした。お昼となれば各自が持って来た弁当を自分の机のところで食べる程度で、その他ミーティングスペースやアメニティスペースがその広間の中に区切られて在るということは少なくとも映画の中ではみられませんでした。上位の武士が物事を決める封建制度では藩内のことを合議で決めることはなかったでしょうし、意思伝達の場もそれぞれの上役のスペースで行われていたでしょうか。そもそもミーティングスペースの必要性はなかったと考えられるでしょう。また(上述の「武士の家計簿」に描かれていた加賀藩の御算用者は別かも知れませんが)、「元禄御畳奉行の日記 尾張藩士の見た浮世」には、当時の藩に勤める武士たちは月に3日程度しか出勤していなかった勤務実態が書かれていますし、そうなると勤務しているスタッフにそれほどのアメニティも必要のないものでしょう。
それを前提に現代のオフィス空間を考えてみると執務スペース以外にも多様な場所が設定されていますが、現代の働き方のニーズに対応してこれらのスペースが位置づけられていることが分かります。当たり前のことですが、会議をする必要がある仕事の仕方なのでミーティングスペースが作られますし、スタッフが疲れるから休憩室が用意されるということです。
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