9-1. 図面 (8)

設備設計は給排水衛生設備や空調換気設備、消火設備などの設計を担います。給排水衛生設備とは、要するに水廻りのことで、浴室やキッチン、トイレ廻りの設備の設計で、空調換気設備はエアコンや換気扇関係の設備設計です。電気設計は電気が関連する設備を設計しますが、幹線、動力、弱電、電灯・コンセントから、通信設備(電話、インターネットなど)、火災報知器などのジャンルがそれに当たります。多くの場合、これら構造、設備、電気設計は意匠設計を元請けとして、下請け的に設計契約を結ぶことが多く、そういう意味で意匠設計が全体を統轄するので、意匠を総合設計と呼ぶこともあります。また工事の段階になると、施工者も建築、設備、電気と専門に分かれます。設計図上の意匠と構造はこの場合は建築に対応し、設備と電気はそのまま設計と施工が対応関係にあります。
形式上、このように分業がなされていますが、実際的に出来上がる建築物としては1つの大きなものです。図面上では分裂して表現されているものも、1つの全体をもった建築物として作られなくてはならないので、これらの図面をきちんと重ねあわせる作業が必要ですし、そこが元請けの施工者の実力として評価される部分です。

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