7-3. 光環境 (5)

さてここまで光の単位について書き連ねてきて今更なことなのですが、これらの光の単位は心理的物理量、あるいは感覚量とも呼ばれ、人が主観的に感じている量を定量化したものです。長さのメートルや重さのグラムなどは誰がどのような状態でいても計測される量としては原理的に一定であるのに対して、光に関しては人が観測することによって定まる量です。観測する人の状態によっては同じ100lxでも、実際に感じる量は人や状態によってまちまちです。いわゆる五感に対応して、視覚/光、聴覚/音、味覚/甘さ、苦さなど、嗅覚/臭気濃度など、これらはみな心理的物理量であり、触覚に対応する刺激についてはなかなか定量化できる指標がつくり難いのが現状だと思います。
そんな五感の中で光はまだきちんと位置づけがなされている方でが、ルーメンの定義の中でカンデラという単位も厳密な定期を書けば「周波数540×1012ヘルツの単色放射を放出し、所定の方向におけるその放射強度が1/683ワット毎ステラジアンである光源の、その方向における光度」というよく分からないことになるようですが、元はと言えば1本のロウソクの光の強さを表現したとのことです。カンデラという単位はラテン語で、英語にすればキャンドル、即ちロウソクということです。全球(4πrの2乗)は4πステラジアンなので、ロウソク1本は12.566ルーメン相当になるということで、40Wの一般電球はおよそ40本のロウソクで概ね対応出来るということが分かります。

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