4-5. 天井と屋根 (3)

オフィスビルの天井面は床と比べて、より多くの様々なモノ、主に設備機器が取り付いています。簡単に羅列すれば、照明器具、空調機器、煙感知器あるいは熱感知器、誘導灯、場合によってはスプリンクラーや非常用照明、無線LANのアンテナ、非常放送のスピーカー、監視カメラがつく事もあります。家具などが置かれる床面と違って、梁などで部分的に下がっていなければ、天井面は見通す事ができることが殆どですので、これらの機器をうまくまとめあげる事がオフィス空間のインテリアデザインには求められていると言えるでしょう。
とはいえ、設備機器は概ね既製品ですし、法的に何らかの認定を求められている類いのものであれば尚更、そのもの自体のデザインを変更する事は難しく、上手にレイアウトをするなり、納まりを調整するなりして天井の意匠をまとめあげるという方針になる事が多いでしょう。現在では電灯の消費電力量の観点からLEDの使用が求められており、照明器具自体にも多様なバリエーションがみられます。意匠的にはそれら照明器具の納まりやレイアウトを天井のデザインの主調とすることが多いように思われますが、その他の細かな設備機器がデザインを壊さないように調整することに設計者は四苦八苦しています。

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