5-3. タイル (2)

本稿では広義の意味よりも狭義の素材の意味が加わったものとしての、いわゆる一般的なタイルについて稿を進めたいと思います。吹き付けタイルや屋根に使われる瓦も広義の意味ではタイルですが、オフィスビルに使われることは稀ですのでここでは扱いません。
さて、このタイルの素材は土を固めて焼成し成分が溶け固まって出来上がりますが、土の成分や焼成の温度によって、陶器質、せっ器質あるいは磁器質となります。煉瓦も土を固めて焼いたものですのである意味ではタイルに近い素材かも知れませんが、タイルとの違いは厚みのある煉瓦はそれを積み重ねることによって壁そのものを構成するので、モノを覆うという意味でのタイルではありません。煉瓦タイルというものがありますが、それは厚みをもたせずに壁に貼付けるものなのでタイルということ扱いになります。
何はともあれ、タイルは陶磁器の食器と同じ原理で作られます。つまり一般的にタイルに付けられている色はタイルを焼成する時に釉薬が化学反応を起こして出来るものです。現在では既製品のタイルは安定した色味を出していますが、古いものをみると1つ1つ微妙に違う色合いがあるのが分かります。

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