5-2. 石 (8)

ついでの話ですが、フランスと言えばワインの産地です。ぶどうを育てる土壌はワインの味を決める重要なファクターで、とりわけ発泡ワインの高級品であるシャンパンはシャンパーニュ地方の土壌がなくてはならないものです。パリと同様にシャンパーニュ地方、ランスやエペルネーといったシャンパンの生産地の地盤は石灰石の岩盤で出来ています。石灰を多く含んだ土壌は非常に水はけがよく、日照などの条件とともに繊細なぶどうをつくり上げるそうです。
ランスの街の少し外れにPommeryという有名なシャンパンのメーカーの工場があります。表通りからみるときれいな芝が広がり奥に城が垣間見えます。この工場はガイドツアーをやっていて、実際のシャンパンの製造工程を見ることが出来ます。

図5-2-13:Pommery

図5-2-13:Pommery

シャンパンはこのキレイな城の真下、地下のカーブで熟成されています。先述したように地盤は石灰岩の岩盤で出来ていますが、ここもPommeryが来る前は採石場だった場所で地下には石が掘られた後の複雑な大空間が広がっています。岩盤で出来ているために十分に堅牢ですし、石灰岩なのでシャンパンを保存するための温度や湿度の条件が年中安定して整っているとのことです。ちなみに第二次世界大戦中には防空壕としても活用されたとのことです。

図5-2-14:Pommery

図5-2-14:Pommery

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