7-1. 熱環境 (11)
例えば、これを外壁で考えてみましょう。塞がれた壁の内装材や外装材、間には構造材や二次部材で成り立っていますが、その間にある程度の断熱材(スタイロフォームなど)を挟み込めばかなりの断熱性能を期待できるものと考えられます。もちろん乾燥空気も相当の断熱性能を兼ね備えていますが、空気が自由に動いてしまっては元も子もありませんので、空気を間違いなく密閉することを考えれば、やはり断熱材を壁の中に仕込むことは断熱性能を上げるのに最も有効です。
外壁には多かれ少なかれ窓が穿たれます。そこにはガラスが嵌め込まれるわけですが、ガラスの伝導率はそれほど高くありません。しかし、ガラスの厚みを考えると一般的には厚くても10mm程度なのでやはり断熱性能は見劣りがしてしまいます。その際に複層ガラス(ペアガラス)が断熱性能を備えたガラスとして活きてきます。複層ガラスは、ガラスとガラスの間に乾燥空気を注入することで断熱性能を高めるものです。ガラス間だと気密性能も間違いないので、上手に乾燥空気を透明な断熱材として利用したものとみることができます。
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