7-1. 熱環境 (6)

開発当初のエアコンが気化熱を利用したものであったというのは簡単に前述しました。現在利用しているエアコンの仕組みも気化熱は関係しています。一般的に業務用も家庭用も、エアコンには室内機と室内機があります。冷房運転の場合、簡単に言ってしまえば、室内の熱を室内機で吸収し(結果として冷風が出ています)、室外機でその熱を排出するというサイクルです。冷房時の室外機前の熱風を受ける不快さは誰もが経験していることですね。
高校時代の懐かしい物理学の話になりますが、物質には個体/液体/気体という三態があり、分子の状態によってそれぞれの態を遷移します。分子が自由に動いている状態が気体で、緩やかに関係している状態が液体、がっちり結びついている状態が個体というイメージを持てば良いでしょう。その状態と言うのは熱が関係しているというか、熱(あるいはエネルギーと言っても良いでしょうか。)の状態によってその三態が決定されます。例えば気体は分子が自由に動いている状態、即ち運動エネルギーが高い状態で、逆に個体は分子が動いていないので運動エネルギーが小さい、低いとイメージです。

図7-1-2:物質の三態

図7-1-2:物質の三態

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