6-1. 机 (9)

図6-1-14:ショールズ&グリデン・タイプライター

図6-1-14:ショールズ&グリデン・タイプライター

このタイプライター、パッと見でお分かりのように、あたかもピアノのようであり、あるいはミシンのようでもあります。この足のペダルのところは紙を送るためのものでしょうか。このタイプライターの発明者はそのなの通り、ショールズ氏と彼を助けたグリデン氏とのことですが、その特許権はE・レミント・サンズ社という会社に売却されました。現在でも銃器メーカーとして存続しているこの会社は、当時はミシンの製造もしていた様なので、あたかもミシンの様な形になったのでしょう。また文字を書くという行為を思い返せば、机と一体化しているようでもあります。ちなみにこの当時のタイプライターは印字された面が紙の裏側にあり、タイピングしている人はその文字を確認できなかったようです。20世紀に入ってから、それも改良され、現在でもイメージするタイプライターの型となりました。
その当時のタイプライターと机をセットで見てみましょう。

図6-1-15:タイプライター用机

図6-1-15:タイプライター用机

これが典型的なタイプライター用の机で、タイプライターを置く部分の高さが低い位置に設定されています。これは明らかにタイピングの身体の動きに合わせたものでしょう。現在ではキーボードは優しいタッチでもパソコン上に反映されますが、インクリボンを通して型で押していたタイプライターはある程度、力強く指で叩く必要がありました。昔の映画で、女性が「パチッ、パチッ」と小気味良い音を立てている場面を思い出します。

最新記事40件を表示