3-2. フランクロイドライト (4)

ライトはこのようなlily padの構造をGreat Workroomだけでなく建物全体に対して適用しています。Great Workroomではこのlily padは1つしか見えませんが、複数階にわたってこの構造を採用しているので、上下の継ぎ目(ジョイント)の力の伝達が問題となってきます。普通に葉の平面に柱を落としてしまうとピン(点)で結合することとなるため、とても不安定です。そこでライトは、柱を空洞にして葉に到る手前で広がる様な形状にし、上部構造の柱を差し込む構造体としました。そうすることである程度、剛(堅い)結合に近づけることができています。

図3-2-5:Structure

図3-2-5:Structure

ライトはこのような構造体のヒントをサボテンから得たという事です。サボテンのどこからヒントを得たのかは定かではないのですが、恐らく内側が水分たっぷりでスカスカなのに対して、外側が堅いということからでしょうか。ライトの建築は度々、有機的建築と言われます。それは落水荘のように自然を取り込み、調和するという意味もあるでしょうし、もう一方では自然の中にある事物からヒントを得ながらデザインをするということもあるかと思います。

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