3-2. フランクロイドライト (3)
サリヴァンの稿で見てきたオフィス空間と大きく違うのは、サリヴァンのオフィスでは建物全体を個室に分割していたのに対して、このジョンソンワックス本社では1つの大きな空間としてまとめていることです。会社側の要求は今となっては知る良しもありませんが、このようなオープンな大空間の中で執務するスタイルを取っているオフィスとしてはかなり早いものだったと思われます。ただ、2-3でみた19世紀中頃のアンリ・ラブルーストの図書館のように、大空間の中に机を並べて勉強するような空間が出てきていたので、それを例として参照してこのGreat Workroomの構想に到ったのかもしれません。
ラブルーストの図書館も同じですが、このような大空間を窮屈でなく、大らかな空間にまとめあげるためには、その大空間の屋根を支える架構が鍵を握ります。ラブルーストの例で言えば、それを当時最先端の鋳鉄の柱で繊細で包み込む様な空間を実現していました。ライトの柱は鉄筋コンクリート製のものですが一般的な工法のものではなく、鉄の金網で丸柱を補強したので根元で直径23cmという細さを実現できました。このような工法は当時の基準に沿っていなかったので当局から載荷試験を求められ、試験の結果、基準の5倍の強度があるということで建設が認められたという経緯もあります。
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