3-1. ルイス・サリヴァン (2)
ルイス・サリヴァンの言う「形態は機能に従う」とはどのようなことだったのでしょうか。このGuaranty Buildingは彼のこの格言を説明するのによく使われている建物です。外観を見てみると高さ方向に大きく3つの部分に分かれていることがわかります。1,2階の低層部にはオフィスのエントランスと通りに面した商業用途が入り、高い階高と大きな開口部が取られています。小さな庇で分節されている3階以上はオフィスビルが入り、鉄骨の架構の半分に合わせたピッチで開口部が取られています。また外装材のテラコッタタイルのデザインも低層部とは異なっています。最上部はエレベーターのオーバーヘッドを含めた階となるので、窓は中層部と同様に四角いものの、額縁の上部をアーチにし、更にその上には円形の開口部があります。このように内部の用途(機能)に合わせて外観(形態)も相応に対応していく、ということがサリヴァンの「形態は機能に従う」ということです。
現代的な感覚で考えてしまうと大したことは言っていない様ですが、少し前の新古典主義の時代を考えるとかなり先進的な発想だったと言っても良いでしょう。同時代の欧州ではアール・ヌーボーが興り始めたばかりであることを考えると、いち早く合理主義的な建築観が芽生えていたと考えても良さそうです。
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