2-2. オフィスのルーツ・西洋編 (5)

前回までみた机は平らな面がある机の上に斜めの面を作るために別の台を置いた様な家具でした。それを[ecritoire]と呼びます。当初は普通の机の上に置かれていましたが、やがて足元が収納になった家具の上に置くようになります。(それが前回までのJean Miélotの二つの机でした。)そして現在のように、水平面の上で書くための机がみられるのは17世紀のルイ13世の時代になります。

図2-2-4:LouiXIII

図2-2-4:LouiXIII

フレンチオークと呼ばれるオーク材の一種を素材として、机上の奥に引出しがある段々状の形態をしています。ルイ13 世様式と呼ばれるこの机の意匠上の大きな特徴はトルネード状の足と足の繋部で、一目でルイ13世様式であることが分かります。
その後、王様が変われば王宮を変えるように、机のデザインもルイ14世〜16世、各様式が存在し、フランス革命後も皇帝様式など多くの様式が作られていきます。その大きな流れが変わるのは19世紀末から始まる、アールヌーヴォーやアールデコといった芸術運動が家具のデザインも変えていった時期になります。

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