2-2. オフィスのルーツ・西洋編 (4)

もう1点Jean Miélotが机に向かっている姿を描いた絵があります。

図2-2-3:Escribano

図2-2-3:Escribano

こちらの絵も同様に斜めの面に巻物状の紙をひっかけて作業をしている様子です。Jean Miélotが書いている紙の上には開かれた本がありますが、これは彼が写本をしているということを示しているものでしょう。先述の通り印刷技術がない時代ですから、本は全て写本によって製作されていたのですね。またこの机の場合には、机が建物の模造として作られていることも目を引きます。教会のインテリアなどにもみられますが、家具や室内装飾などが建築のミニチュアとして製作されることは当時にはよくあることだったので、その1つだと思われます。
室内の様子に目を移すと、床はフローリングのような細長い素材が張られ、壁際には腰くらいの高さの収納家具でしょうか。下段は開戸付きの収納になっており、中にも本が入っている様です。上部は本が開いて置ける様になっています。前回の絵もそうですが複数の本を同時に開けるようになっているのが、当時のオフィス環境の特徴と言っても良いでしょうか。

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